外資系企業。
「給料は高いけれど、激務なんでしょ?」
「いらなくなったらすぐにクビを切られるんでしょ?」
誰しもそんなことばかり言っているが、それを言っているのは日系の企業の人ばかりである。
僕は実際に外資系化学メーカーに勤めている。
だから外資系の実態というものをある程度は理解している。
巷でよく言われている外資系企業のイメージと実際の外資系企業というの違うのだ。
もしかしたら一般的な外資系企業だとイメージ通りなのかもしれないが、少なくとも外資系化学メーカーだと全く違う。
実際に外資系化学メーカーってどんな感じなの?
英語って必要なの?
このような疑問に答えていこう。
また、僕が新卒で入社した会社はJTCなのでそちらとも比較しながら書いていこう。
もくじ
外資系化学メーカーの一日

僕が出社するのは、だいたい朝の8時半だ。
そこから会議をしたり、実験をしたり、資料をまとめたりして、帰宅するのがだいたい17時くらい。
かなり普通だ。
激務ということは全くない。
そして仕事内容も日系の企業と変わりはない。
「外資系は激務だ」という言説は、外資系化学メーカーには当てはまらないのである。
どうやら化学業界がゆるふわホワイトだというのは構造的なもので世界共通なのかもしれない。
外資系化学メーカーの内部

僕は、研究開発グループに属している。オフィスと実験室が併設しているところで日々の業務を行っている。
まずはオフィスだが、かなり綺麗だ。机も広く、一人一人にパソコン、デュアルモニターなど様々な機器が提供される。
まあこれは結構普通だ。
あとはオフィスの中にある休憩室には、ソファーやテーブル、椅子、雑誌、新聞、コーヒーメーカー、お菓子が置かれている。
さながらカフェのようだ。
これは、僕たちの上司がヨーロッパ人で、その人が導入したものである。
確かにコーヒーメーカーはイタリア製だし、ところどころでヨーロッパの香りを感じる。
その休憩室でみんな楽しく会話をするのである。
内容はその時々だが、外資と言っても働いているのは日本人が多いので、基本的には日本語で話をする。
そこに海外の人がいる場合は、言語が英語に切り替わる。
ただ、仕事柄男性の割合が多いので、どうしてもむさ苦しい感じになるのが難点だ。
では人間関係はどうかというと、外資系ならではの特徴はないと思う。
外資系企業だから、外交的な人が多いかというと全くそんなことはなく日系企業と変わらない。
ただ、中途入社に慣れているので、中途で入ってきた人に対して抵抗が全くない。
その点ではこれから入社する人は馴染みやすいだろう。
外資系化学メーカーでの仕事の特徴

仕事内容に関しては、外資系化学メーカーは特徴的だ。
際立った外資系化学メーカーの特徴は以下の二つだ。
・英語を使う
・顧客が日本企業
英語を使う

外資系企業は英語を使う。
当たり前だと思うかもしれないが、僕は入社するまでこんなに英語を使うとは思っていなかった。
同僚に海外の人がいるので、当たり前と言えば当たり前なのだが、とにかく英語を使うのである。
会議は日本人だけなら日本語だが、一人でも海外の人がいると英語になる。
また資料は全部英語。
これは結構大変だ。
今後のキャリアを考えると、英語を自然と鍛えることができるのでその点は大変だが良いことかもしれない。
顧客が日本企業

外資系ということは、本体が海外にあるのだ。その会社が日本でビジネスを行っている。この特性上、顧客のほとんどは日本企業になる。
考えてみれば確かにそうだ。
本体は海外にあって日本でビジネスをしたいということは顧客は日本企業になるはずだ。
そのため、顧客とのやり取りはほとんど全て日本語だ。
英語で企業の外の人とやり取りをすることはほとんどない。
大事なのは、研究したことについて議論できることであって、その点は日系企業と変わりはない。
給料について

外資系の給料について紹介しよう。
これは日系の企業よりも少し高いくらいである。外資系の金融のように驚くほど高給ということはない。
同年代が600万円くらいだったら650万円とか700万円とかそれくらいだ。
しかし、僕も含め多くの人にとってはこの少し高いということが重要なのだと思う。
さて、外資系の給料についてだが、管理職になるとガッと上がるらしい。
福利厚生については普通の企業と変わらない。
家賃補助もあるし、通勤手当もある。
昇進についは、日系の企業とは少し違う。
自分が出した成果によっては、先輩より早く出世することがある。
僕がいたJTCでは、かなり年功序列の色合いが強く、年齢が一定になれば役職がついていた。
一応上司による査定は毎年あったが、こんなものはあってないようなものであった。
JTCでは特に20代のうちは、同期で優秀なやつとそうでないやつとの間に差がつかないように「見えざる手」が働くのである。
これが分かる人は「うんうん」と頷いていることだろう。
話を戻して、外資系の化学メーカーでは、自分が出した成果によって出世のスピードが早くなるので、その分給料も高くなる。
実力主義の人にはおすすめだ。
英語の勉強法

外資系化学メーカーで英語が必要なことは書いたが、いきなりペラペラになるわけではない。
そもそもペラペラである必要はない。
しかし、英語は必須だ。
「自分は英語が得意じゃない」という人は、英語を鍛える必要がある。
そこで僕がやっていた方法をお伝えする。
それはbizmatesだ。
月に13200円で毎日英語の練習をすることができる。
これを使って英語に慣れる練習はできるはずだ。
しかし、英語の練習に関しては各自やり方があると思うので、実際に色々試して自分に合ったものを見つけて欲しい。
外資系化学メーカーは転職先としておすすめか?

外資系化学メーカーが転職先としておすすめかどうかと言われると微妙である。
というのも、わずかに給料は上がるものの、英語という負荷が加わるからである。
普段の業務は日系企業と変わりはない。
そう考えると、楽に働きたいなら日本の企業に勤めていた方が良いような気がする。
ただし今後よりキャリアアップしていきたいと考えている人にはおすすめだ。
なぜなら、外資系で多くの国の人と関わってプロジェクトをしていたという経験は、今後の転職で強みになるはずだからだ。
多くの人、それも海外の人と関わり、一つのプロジェクトをしていくというのはとても難しいことである。
それを成し遂げるというのは、かなり大きな成果であり、そんな成果を出した人材を企業は欲しいと思うはずである。
そうやって他の人にはない自分の強みを作って、次に活かしたいという人に外資系化学メーカーをおすすめしたい。
まとめ
外資系化学メーカーの日常について説明してきた。
日系の企業と同じところ、違うところ、それぞれあるが思っているよりは違わないものである。
英語が少し大変かもしれないが、興味のある人は飛び込んでみるとこれまでとは違った景色が見られるだろう。