化学系研究職の転職コラム

20代化学系研究職の平均給与と年収ランキング【給与の上げ方も解説】

給料というのは働く原動力になるが、自分がもらっている給料が多いのか少ないのか、あなたも一度は気になったことがあると思う。

このときに何をもって多いとか少ないとか言うのだろうか。それは同業の同年代の給料と比べてということになるだろう。

同じ業界で働いていて研究室が同じだった彼と比べて自分の給料が高いのか、それはあなたが「このままの会社で働き続けよう」と思うのか、「転職しよう」と思うのか、その判断に大きな影響を与える。

あなたも自分の給料と医者の給料を比べようと思わないだろう。あくまでも同業他社の同年代の給料と比べて自分の給料がどうなのかが気になっているはずだ。

そこで、「化学 給料 平均」などで検索をかけてみるが、そこに出てくるのは、本当に化学業界の平均の給料であり、研究開発職も、製造職も、知財も、営業も全部ひっくるめた化学業界で働く人の平均給与だ。

しかも年齢も20代、30代、40代、50代、60代全ての年齢を含めた平均値が出てくる。

(参考:年収チェッカー

しかし、あなたが知りたいのはそんな数字ではないはずだ。

あくまでも比べたいのは同じ研究室に所属していた彼と比べてどうか、である。

そこで、入社して数年の20代後半研究職(技術職)の平均給与について調査したので、その結果を報告したい。

調査方法

ネットでググっても知りたい情報は出てこない。民間の調査国の調査も見てみたが、ピンポイントでほしい情報というものはなかった。

そこでopenworkという転職の口コミサイトを使って調査を行うこととした。

Openworkには自分が所属している(いた)企業の情報を書く仕様になっている。

そこにはもちろん給料も記載されている。

また書いた人が入社何年目なのか、新卒か中途入社かの記載がある。

さらには、書いた人が研究開発職なのか、営業なのかなどの職種の記載もある。

そこで、openworkを用いて、新卒5年以内で職種が研究開発職または技術職に限定して年収データを集めた。企業は、化学企業売上上位50社だ(参考:strainer等)。

サンプル数は各企業3人(新卒入社5年以内:25~29歳とする)として、3人の年収の平均値をその企業の年収とした。

データの取り方は、年数と職種の条件を満たす人で口コミが書かれた日が浅い人から順に3人分取ることとした。

最初は研究開発職で検索をし、年収データが3人に満たなければ技術職で検索をかけデータを追加した。

それでもデータが不足していればその企業の調査は終了した(1人もしくは2人の年収で平均値を作成した。データがなければデータなし)。

注意点

このデータを取り扱う注意点は、データは口コミが元になっているということだ。

口コミは自己申告なので、源泉徴収などを用いて調査している国の調査などと比べると信頼性は低い。

平均値(n=3)を取ることである程度信頼できる値になっていると思われるが、それでも参考にできる程度だ。

また、年収には残業代も含まれているので、ホワイトで残業が少ない企業は、残業が多い企業に比べて年収が低くなっている可能性もある。

残業が多いのか少ないのかはこの調査法ではわからないので、その点については考慮されておらずあくまで年収のみでの比較である。

また、調査は2024年9月に実施した。

化学企業の売上上位企業の20代研究職平均給与

それでは化学企業の売上ランキング上位50社の平均給与を表に示す。この表の下に売上ランキング上位1~10社の給与平均、上位1~30社の給与平均、上位1~50位の給与平均を示した。

売り上げ順位会社名25-29歳平均給与(万円)
1位三菱ケミカルG563
2位富士フイルムHD643
3位旭化成523
4位住友化学548
5位信越化学工業603
6位三井化学626
7位花王617
8位日本ペイントHD485
9位レゾナック・HD523
10位積水化学工業555
11位日本酸素HD-
12位DIC613
13位エア・ウォーター450
14位東ソー550
15位資生堂579
16位ユニ・チャーム582
17位日東電工617
18位三菱瓦斯化学587
19位クラレ543
20位カネカ517
21位関西ペイント540
22位ダイセル500
23位UBE483
24位JSR500
25位ライオン543
26位ADEKA503
27位日本触媒575
28位デンカ503
29位日本ゼオン507
30位ニフコ450
31位トクヤマ423
32位artience483
33位コーセー-
34位住友ベークライト533
35位アイカ工業450
36位サカタインクス450
37位日産化学545
38位日油500
39位エフピコ-
40位日本化薬537
41位高砂香料工業483
42位クレハ450
43位小林製薬550
44位ポーラ・オルビスHD-
45位東京応化工業570
46位クミアイ化学工業480
47位セントラル硝子455
48位三洋化成工業525
49位東亞合成533
50位ダイキョーニシカワ450
1-10位平均569
1-30位平均546
1-50位平均527

給与平均は売上ランキング上位10社が569万円、売上ランキング上位30社の平均が546万円、売上ランキング上位50社の平均が527万円だ。

この結果から、会社の売上が大きいと、20代での給与も高くなる傾向がみられる。

よく言われている「大きい会社の方が年収が高い」というのは、どうやら本当のようだ。

またこれらの会社は化学企業の中でも売上額が大きい会社の中での比較であり、もちろんこの表に含まれていない化学会社も存在する。

それらの会社については傾向から考えれば527万円よりも年収が低くなるだろう。

売上下位の化学会社はこの結果には考慮されていないが、ひとまず20代で年収が527万円を超えていれば、ほぼ間違いなく化学系の研究職で20代の中で平均以上の給与をもらっていると言うことができるだろう。

20代化学系研究職平均給与ランキング

会社規模と給料との大まかな関係は上に示した通りだ。では具体的にどの企業が20代の研究職に高い給料を出しているのだろうか。

さきほど示した化学企業の売上ランキング上位50位を年収順に並べ替えた。

下の表が20代の化学系研究職の給与ランキングだ。

年収ランキング会社名25~29歳給与平均(万円)
1位富士フイルムHD643
2位三井化学626
3位花王617
4位日東電工617
5位DIC613
6位信越化学工業603
7位三菱瓦斯化学587
8位ユニ・チャーム582
9位資生堂579
10位日本触媒575
11位東京応化工業570
12位三菱ケミカルG563
13位積水化学工業555
14位東ソー550
15位小林製薬550
16位住友化学548
17位日産化学545
18位クラレ543
19位ライオン543
20位関西ペイント540
21位日本化薬537
22位住友ベークライト533
23位東亞合成533
24位三洋化成工業525
25位旭化成523
26位レゾナック・HD523
27位カネカ517
28位日本ゼオン507
29位ADEKA503
30位デンカ503
31位ダイセル500
32位JSR500
33位日油500
34位日本ペイントHD485
35位UBE483
36位artience483
37位高砂香料工業483
38位クミアイ化学工業480
39位セントラル硝子455
40位エア・ウォーター450
41位ニフコ450
42位アイカ工業450
43位サカタインクス450
44位クレハ450
45位ダイキョーニシカワ450
46位トクヤマ423
47位日本酸素HD-
48位コーセー-
49位エフピコ-
50位ポーラ・オルビスHD-

47位から50位まで空欄なのは、給与のデータが無いためである。

同じ給与の場合は、売上が高い会社を上位としてある。

1位は富士フィルムHDで20代の研究職平均給与は643万円だ。

このランキングでは20代で600万円以上の給与をもらえるのは6社のみである。

また500万円以上の給料がもらえるのは33社である。

このランキングで最も低い給料の会社は年収が423万円であり、1位と比べると200万円以上の差がある。

20代で200万円以上給料に差があると「転職しよう」と思う人も出てくるだろう。

このランキングは化学業界で売上上位50社の平均給与をもとに作っているので、「俺は給料400万円いかない」という人も中にはいると思われる。

給料を上げる方法は給料が高い会社へ転職すること

このようなランキングを見て、ニヤニヤしている人もいれば不快になっている人もいると思う。

ニヤニヤしている人は、自分の所属している会社がランキングの上位にあって嬉しい人だろうし、不快になっている人は自分が同業の20代と比べてあまり給料をもらっていないと感じている人だろう。

不快に感じている人は転職を考えてほしい。

なぜなら、転職をすることで給料を簡単に上げることができるからだ。

化学会社の給料はだいたい働く企業と年齢で決まっている。

能力で傾斜が付く場合もあるが、だいたいは働く企業と年齢で決まる。

だから、給料が高い会社に行けば、あなたの給料も上がる可能性が高いのである。

もし、あなたが今の給料に不満があって給料を上げたいと考えているのなら転職を真剣に考えてみよう。

20代の化学系研究職にとって転職は比較的簡単

20代の化学系研究職にとって転職は比較的簡単だ。

なぜなら、どこも人手不足で若い研究者を欲しがっているからだ。

なぜ人手不足かというと、若いあなたのような人が転職するからである。

せっかく良い席が空いているのだから、あなたがそこに座れば良い。

30代になると転職は少し難しくなる

30代になると20代のときに比べて転職をするのが難しくなる。

その理由は

  • 経験が求められるようになるから
  • 結婚した場合の転居が難しくなるから

である。

一つずつ説明しよう。

経験が求められるようになるから

20代での転職と30代での転職で最も異なる点は、経験が求められるかどうかだろう。

20代で転職するのであれば、経験はそこまで求められない。

研究職はどこもだいたい同じことをするのだから、まあ研究がそこそこできれば大丈夫だろうということで雇ってくれる。

しかし30代になるとそうではない。

経験が求められるようになるのだ。

なぜならば、30代の人は企業において即戦力になることが求められているからだ。

入社したらすぐに企業の戦力として働いてもらうためには、それなりの能力と経験が必要になる。

だから入ることができる企業の幅も20代に比べて狭くなる。

もちろん実力のある人にとっては経験が求められている方が転職しやすいという人もいるので、人それぞれだが一般的には20代の方が30代に比べて転職しやすいだろう。

結婚した場合の転居が難しくなるから

もう一つの理由は30代になると結婚して身動きがとれないということがよくあるからだ。

20代で結婚する人もそれなりにいるが、30代になってから結婚するという人もいるだろう。

結婚した人は、自分のことだけではなくて、配偶者のこと、もしくは子供のことも考えなくてはいけない。

だから簡単に転職するわけにはいかなくなる。

転職するのであればまだ結婚していない時期にするのが望ましい。

それは多くの人にとっては30代よりも20代ということになる。

転職を決めたらすべきこと

転職を決めたらすべきことは、転職エージェントに登録することだ。

転職エージェントというのは、あなたの転職を手助けしてくれる強い味方だ。

まずあなたと転職エージェントとで面談を行い、あなたの希望を伝える。

その希望を聞いて、転職エージェントは転職候補の企業の調査、書類の添削、面接のアドバイス、先方の企業との調整などを行ってくれる。

しかもこのサービスは無料で使うことができるので、使わないのはもったいない。

しかし、転職エージェントというのはたくさんあるので、どのエージェントを使ったらよいのかわからないという疑問が出てくる。

そこで、僕自身も転職するときに使ったおすすめの転職エージェントを紹介したい。

以下の記事でおすすめの転職エージェントと転職エージェントの使い方について詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてほしい。

まとめ

給料を上げたいというのは、働いていれば誰しもが思うことだ。それは恥ずかしいことではなくてふつうのことなので、どうすればそれを達成できるのかを考えるべきである。

20代の化学系研究職のあなたであれば、簡単に給料を上げることができる方法は転職だ。

しかも20代という年齢はとても転職に向いている。

せっかくこの記事を読んで転職する気になったのであれば、まずは次の記事を読んで転職エージェントと面談してみよう。

それによって、あなたの将来が開けてくるはずだ。

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